Heaven from 3cm above
2000年03月01日
皮膚の内と外

私たちは皮膚といううすい皮で、世界と自分を分けている。
私の内側と外の世界とがビビッとつながる時がある。
それは懐かしくて新しい、電気が走るような目覚めの時だ。

その感覚を「感動する」と呼んでいることが多い。
感動すると、鳥肌が立つひとが多い。

瞳孔が開いたり、涙が流れたり、身体の重さを忘れたり、口が開いてたり。
たいてい心の窓が開くと、身体は開いている。
でも、鳥肌が立つって、もともとは外界に体温を放出しないように、
自分を守るために起こる現象だ。皮膚の内と外で何が起きているのだろう。

一つ一つの毛穴が、いっせいにピピッと丸くとがるのは、
眠っていた細胞たちが目を覚ますような、そんな幸せな瞬間のような気さえしてくる。

何人かの人に聞いてみた。感動した時に、鳥肌が走る場所がどこなのか。 
ある人は、背中の貝殻骨の辺り(羽根が生えていた場所ね)。
ある人は、首から肩、二の腕にかけて。
だいたい上半身だ。

私は太ももだ。太ももがぞわーっとざわめく。
たまに足の付け根の健がピクッと動いたり。腰まで上がってくることもある。

それはとても幸せな瞬間で、人や世界に向き合えて、その場所で溶け合えていられることに、
心地よく震えていることができる自分を確かめられるのだ。

もっともっとそんな時間に出会いたいし、それをたくさんの人と共有したい。
だから私は書くだろうし、空間づくりに励むだろう。
散歩したり、温泉に行ったり、かんざし博物館に通ったりするだろう。 

皮膚の内と外がつながる瞬間に出会うために。

舎長 明神慈