2001年04月10日
夢を見た。
悲しい夢だった。
目覚めたまま、私は起きあがることが出来なかった。
重力よりも重くのしかかってくるのは必ず目覚める救いのようなものなのか、
夢というもうひとつの世界で私が犯してしまってる見えない罪なのか。
幼なじみが目の前にいた。ショートカットの細身な女性。
私は彼女を知らなかった。
彼女の使命は私を殺すこと。
刃物を持って、追いかけてくる。
どこまでもどこまでも。
私は、逃げた。
逃げながら彼女が追いかけてくる理由を尋ねた。
教えてくれない。
どうして追いかけられているのか、分からない。
逃げながら説得をする。
聞いてくれない。
うまく逃げられた。
しかし、必ず彼女は私を見つけだし、追いかけてくる。
きっと、死ぬまで追いかけてくる。
彼女を生かしているエネルギーはそれだけだった。
周りにある物を投げながら私は逃げた。
こうなったら、私の命を差し出すことが私の運命のようにも思えてきた。
この関係を終わらせる自然の法則。逃げるのをやめる。そして・・・。
でも、私は生きたい。
やりたいことがあるのだ。
それを始めたばかりなのに。
私は、戦う決心をした。
彼女を殺すかもしれない。
私は足を止め、彼女を見た。
椅子を抱え持って彼女に向かうべく呼吸を下ろしたところで
目が覚めた。
空気が私の中に満ちてゆく潮のように入ってきた。
こうして、人は何かを終わらせるための戦いを続けなければいけない生き物
だとしたら。涙はそのためにあるのかもしれない。
彼女は、それ以降私の前に現れない。
舎長 明神慈