Heaven from 3cm above
2001年09月28日
どこまでも

満月の夜、自転車を走らせる。

ビールを買いに。ワインも買いに。

夜風はほの湿った肌触り。

つんとする草の匂いに呼吸が深くなる。

栗の花だよ

あなたは言った。

今頃になると咲くよ

黄緑色の長細い房が、きっと夜風に揺れている。

ほろ酔いな鼻孔に心地良い黄緑色の刺激。

まるい月がどこまでも追ってくる。

どこまでも。どこまでも。

透明なあなたの言葉が私の中で車輪みたいに廻ってる。

夜風に消えてしまってもいいくらいたわいのない言葉。

廻ってる。廻ってる。

鼻孔の奥で、ほろ酔いに混ざってる。

信号の先の酒屋が閉まっていれば、もう少し走っていられるのに。

どこまでも夜を泳いでゆけそうなのに。

泳いでゆけそうなのに。

舎長 明神慈