Heaven from 3cm above
2002年02月17日
吐息

首が苦しいと思ったら
セーターを後ろ前に着ていた。
この半日、気づかなかったのは
うつむくことをしなかったからか。

この前向きさ加減といったら。

うつむくと、タッグの布が
のどにザラリとまとわりついてくる。
私は、うつむくことを一度もしないで
うす曇りの半日を黙々と動いていたのだろうか。

誰にも気づかれずに。

きっと痛みも(うつうつとした)こんなふうに
誰にも気づかれない場所で
その根を伸ばしてゆくのだろう。
気がついたときには
人前でそれを脱ぐことができないくらいに
裏も表もがんじがらめになっているのだろう。

からんでいるうちに
からまっているうちに
表も裏も自分の出入り口であることに気づいたなら
そんなもの、脱ぎ捨ててしまうこともできるだろう。

吐息と一緒に、冬の夜空に昇ってゆくだろう。

舎長 明神慈