Heaven from 3cm above
2004年06月24日
広げた翼

もう何日もシャクヤクを眺めている
花瓶にひしめく赤紫と純白の花びらたち

蕾から 蜜が 滴っている

ひしめく大輪の花の中にあなたはいた
あなたは花の形を超えて命を燃やしている
その際立った存在に私はここから動けないでいる

あなたが散りゆく軌跡を見逃したくない
(それほどまでにあなたは美しい)

まっすぐに私とつながっているあなた

あなたが自分自身から飛び降りる瞬間に立ち会おうと
ただ ひたすら 待ちながら 

花が咲くのを待ちわびた夜はいくつもあった
けれども こんなに こんなふうに幾夜も胸震わせて
散りゆく花を見届けたいと痛切に願ったことはない

桜は高い枝を風にそよがせ彼方へと旅に出る
あなたは あなたはこのまま足元に崩れてゆくのか

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あなたは散らなかった
咲き誇った、広げきった翼のまま 
ゆっくりと色を失ってゆく ゆっくりと枯れてゆく

枯れてもあなたは美しい
やはり私はここから動けない


舎長 明神慈