Heaven from 3cm above
2008年10月26日
ささいな

・「ささいな所からも悠久の時間をかいま見せるような」

 稽古場は不思議な場所だ.日常と非日常が往復する.
 ぱっと空気がほぐれて俳優たちが笑いだす日常の風景もあれば,
 静寂とともに非日常が動き出す瞬間もある.
 俳優の動きについて触れる言葉が,そのまま,紡ぎ出される物語に接続していく.


・「考える顔をしないで」

 稽古始め.稽古場の空気はまだ作られはじめたばかりで,
 俳優は手探りで,身体の動かしかたを模索している.
 そういうときだからこそ出た言葉.
 頭がさきに動いていることが周りに伝わると
 気持ちの良い空間にはならないという.
 「どう動こう?」そう考えることを皆がやめた瞬間に,空気がほぐれたのが分かった.
 顔は思ったよりずっと正直で,私たちの感覚は思ったよりずっと繊細なのかもしれない.


・「にちゃっ」
  相手の身体に触る時の手を、明神さん流に表現したもの。
  「あわびの裏みたいに」という注釈がついて、みなの心に「にちゃっ」が刻み付けられる。


・「もっとこう、するするするっと。」
  俳優陣が繰り出した動きに対するコメント。対する俳優陣の表情、惑い不思議笑い。
  「するするするっと、・・ってなんだよ!」稽古場にぱっと笑いが広がる。
  日本語って奥深い!


・「運命の分かれ目みたいに 」

 場面と場面、行動と行動のあいだに、この言葉を何回きいたことだろうか。
 終わりと始まり、境目を大切にする稽古場である。


・「面白すぎる〜!」
 シーンを練り上げる途中、俳優たちが出したアイデアが稽古場の空間をがらっと変える。
 明神さん、頬が赤い。


・「記憶のボックスからひきだされてくる感じで」

  ポかリン記憶舎、の名前の由来をわたしは尋ねたことがない。
  知らないといってしまえばそれまでだけれど、稽古場にいると、
  あらためて尋ねるのがもしかしたら無粋かもしれないと感じてしまう。
  それぐらい、そこにいる人の記憶の引き出しがどんどん開かれて行く。


・「思春期の男のやり切れなさを出したい / 女子のスカートの世界で」

 日常語のようで、そうでもない。
 すごく具体的なイメージかと言われると、さほどでもない。
 けれど、なにか体感のようなものが足元から這い上って来る言葉。